マイヤーズ・カクテル+高濃度ビタミンC点滴について
マイヤーズ・カクテルは、人間に必要なビタミンやミネラルを直接血管内に投与し、血中濃度を急速に上昇させることで薬理学的な効果を期待する療法です。
米国メリーランド州のジョン・マイヤーズ医師が考案したもので、マイヤーズ医師は30年以上にわたり、喘息や慢性疲労、うつ病の患者さんをビタミンやミネラルの点滴療法で治療することで有名でした。
1984年にマイヤーズ医師が亡くなられた後、同じ米国のギャビー医師らによって引き継がれ、全米に広まり、現在では米国の代替医療やアンチエイジング専門のクリニックでは標準的治療方法となっています。
当院では通常、ビタミンB群とビタミンCを、硫酸マグネシウムとともに、500mlの蒸留水に入れ、60分程度で点滴します。
マイヤーズ・カクテル+高濃度ビタミンC点滴の適用疾患
慢性疲労症候群 | 全身倦怠・疲労 | 生理不順 |
---|---|---|
気管支喘息 | アレルギー性鼻炎 | 偏頭痛発作 |
心不全 | 狭心症 | 慢性蕁麻疹 |
こむら返り | ・甲状腺機能亢進症 | 線維筋痛症 |
耳鳴り | ・急性上気道炎 | 慢性副鼻腔炎など |
その他、期待できる効果については、高濃度ビタミンC点滴をご参照ください。
高濃度ビタミンC点滴について
高濃度ビタミンC治療は1回に25g以上のビタミンCを静脈から点滴する治療法です。
実際には、点滴を週に1回~3回程度、1~3時間(1回当たり)ほどかけて行い、効果を確認しながら量と期間を調節していきます。
ビタミンC研究は、ライナス・ポーリング博士の末期がん患者への延命効果研究を中心に1970年代から行われていましたが、長く一般に広まることはありませんでした。
ところが、2005年にアメリカの国立がん研究所などのグループ(NCI、NIH、FDA)が、『ビタミンCは抗がん剤としての作用を持ちながら、正常細 胞は全く傷つけない』と効果確認の発表をし、それらを基に、近年、米国やカナダの代替療法クリニックにおいてこの治療は急激な広がりをみせています。
当院においては、がん患者様への代替療法のほか、アンチエイジング、美容、慢性疲労、倦怠感に対する効果を得ることを目的とした患者様に対して、高濃度ビタミンC点滴の単独での実施のほか“マイヤーズ・カクテル+高濃度ビタミンC”をお勧めしております。
高濃度ビタミンC点滴の期待効果
多量のビタミンCを直接体内に点滴し、血中のビタミンC濃度を通常の10~100倍以上という超高レベルに上げることにより、美白やアンチエイジングなどの美容効果、様々な疾患の予防や機能改善などを強力に促します。
高濃度ビタミンC点滴で期待できる効果
●メラニン生成を抑制し、シミや肝斑、肌の色を明るくする美白効果
●コラーゲンの生成を促し、しわ・たるみを改善。お肌のハリを整える
●肌の保水力を上げ、みずみずしいお肌に
●アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー改善効果
●免疫機能を強化して、風邪の予防や疲労回復効果
●抗酸化作用で生活習慣病や老化を予防(アンチエイジング)
高濃度ビタミンC点滴療法によるガン治療について
前 述のとおり2005年にアメリカ国立健康研究所、国立ガン研究所、国立食品医薬品局の科学者達は共同で「高濃度のビタミンCはガン細胞を殺す」という論文 をアメリカ科学アカデミー紀要に発表しました。続いて、2006年3月には高濃度ビタミンC点滴療法で長期生存を続けている3人のガン患者さんについてカ ナダ医師会雑誌に論文が発表されました。さらに2007年には「高濃度ビタミンC点滴療法がガン患者の痛み、倦怠感、食欲低下、不眠などの諸症状を改善 し、QOL (生活の質)を改善する」と韓国医師会雑誌に論文が発表されています。そして、現在はアメリカやカナダの多くの医師らが高濃度ビタミンC点滴療法をガン患 者に行うようになり、この治療を受ける患者の数は急増しています。
当院の医師は点滴療法研究会マスターズクラブの会員医師であり、点滴療法研究会の研修を受け、アメリカで実施されている「高濃度ビタミンC点滴療法の標準的プログラム (Riordan IVC protocol)」と同じものを患者様へ安全に提供します。
この治療法が適している方とは
高 濃度ビタンC点滴療法が適応となるのは (1) 標準的ガン治療が無効の場合、(2) 標準的ガン治療の効果をより確実にする、(3) 標準的ガン治療の副作用を少なくする、(4) 良好な体調を維持しながら寛解期を延長させる、(5) 代替治療として希望する場合などです。有効な抗ガン剤や放射線治療がある場合は併用を推奨します。
料金
各点滴療法の料金は以下の通りとなります。
なお、初診時、相談料として3,000円を頂戴しております。(価格はすべて税込となります)
高濃度ビタミンC点滴 | 25gまで | 12,000円 |
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50gまで | 16,000円 | |
75gまで | 18,000円 | |
G6PD検査※1 | 10,000円 | |
マイヤーズ・カクテル+高濃度ビタミンC | 15,000円 |
※1:高濃度ビタミンC点滴を行うためには、事前にG6PD活性値を測定する必要があります。当院にてG6PD検査を受けられた方は初回点滴費用(15g)より、2,000円割引致します。
予約について
当院ホームページ内、【インターネット(WEB)予約】より、ご予約が可能です。
その他点滴
*リオルダンビタミンC点滴
短時間で1回にビタミンC7.5gを静脈から点滴します。免疫機能を強化して、風邪の予防や疲労回復効果を促します。
点滴を週に1回程度、20~30分(1回当たり)ほどかけて行い、効果を確認しながら期間を調節していきます。
*アンチエイジング・グルタチオン点滴 (白玉点滴)
主成分である「グルタチオン」の効果は、美白・エイジングケアに加え、疲労回復、肝臓サポート、解毒作用(デトックス)、抗酸化作用などがあります。点滴を週に1回程度、20~30分(1回当たり)ほどかけて行い、効果を確認しながら期間を調節していきます。当院ではビタミンB12、ビタミンCを混合した内容でご提供しております。
リオルダンVC点滴 7.5g | 4,500円 | |
---|---|---|
アンチエイジング(デトックス) グルタチオン点滴 800㎎(白玉点滴) |
6,500円 |
※初診時、相談料として3,000円を頂戴しております。
予約について
当院ホームページ内、【インターネット(WEB)予約】より、ご予約が可能です。
【お願い】
・点滴をご希望の方で持病のある方は、予約日までに必ずかかりつけ医(主治医)にご相談ください。
高濃度ビタミンC点滴の副作用
重篤な副作用はないと報告されています。
比較的起こりうる副作用として以下のようなものがあります。
① 点滴痛
点滴治療全般に言えることですが、点滴刺入部に局所的な痛みを感じることがあります。局所的な痛みを感じるのは静注速度が早すぎるために起こります。
この血管痛に対しては、マグネシウムの添加、点滴速度の調整、温湿布などで軽減できます。
② 口渇(のどが渇く)
高濃度ビタミンC点滴には利尿作用があります。
点滴中はミネラルウォーターやノンカロリーのお茶などでこまめに水分補給を行っていただきます。
③ 低カルシウム血症
ビタミンCはカルシウムをキレートする(尿として外に出す)働きがあり、一時的に筋肉のけいれん、しびれなどの症状を認めることがあります。
④ 低血糖(めまい、冷や汗、疲労感など)
ビタミンCはブドウ糖と化学構造が極めてよく似ており、高濃度ビタミンC点滴によって体は「ブドウ糖が入った」と勘違いして血糖を下げるインスリンを分泌することがあります。そのため低血糖を生じることがごく稀にあります。
空腹でのご来院はお控えください。
⑤ みせかけの高血糖
糖尿病の方で簡易血糖測定器を使用している場合、高濃度ビタミンC点滴後に測定すると高血糖の値が出ることがあります。ビタミンCとブドウ糖の化学構造が極めてよく似ているために起こる現象です。
糖尿病患者さんの場合、簡易測定器で高血糖であった時にあわててインスリンを投与すると低血糖になってしまいます。自宅で血糖測定器を使用している方は、ビタミンC点滴12時間後は血糖測定を控えて下さい。
⑥ アレルギー
ビタミンCそのものに対するアレルギーは稀です。
時々起こるアレルギー症状は、溶液に加えられたビタミンC以外の成分が原因であることがほとんどです。
高濃度ビタミンC点滴の禁忌
下記に該当する方は、高濃度ビタミンC点滴を受けることができませんのでご注意ください。
① G6PD欠損症
赤血球にあるグルコース6リン酸脱水素酵素(G6PD)という酵素が欠損していると、ビタミンCが作る過酸化水素により赤血球の膜が壊れてしまう「溶血」という減少が起こり、貧血になります。
初めての患者様は必ず一度この酵素を持っているかどうかの検査を受けていただく必要があります。他のクリニックですでに検査を済まされている場合は、検査データをご持参ください。
② 高度の心不全
ビタミンCの点滴は濃度が高く、心臓に多少の負担がかかります。
③ 腎不全
高度の腎機能低下、透析をされている患者様は治療を受けていただくことができません。これはビタミンC点滴によって腎臓に急速にシュウ酸がたまり、さらに腎機能を低下させることがあるからです。
④ 胸水および腹水がある場合
高濃度ビタミンC点滴による水分量の負荷により、体内の胸水や腹水がより悪化する可能性があります。