不妊相談 Fertility Consultation
妊娠を望んでいても、なかなか授からないと、不安な気持ちになるものです。
不妊の原因は人それぞれで、ホルモンバランスの変化や排卵のこと、子宮や卵管の状態、生活習慣など、さまざまな要因が関係していることがあります。日本では「1年間、避妊をせずに妊娠を試みても授からない場合」を不妊としていますが、早めに相談することで安心につながることもあります。
お一人で悩まず、まずは一度、医療機関に相談してみませんか?あなたに合ったサポートを一緒に考えていきます。
不妊検査
血液検査
女性ホルモンは月経周期にあわせて大きく変化します。卵胞期・排卵期・黄体期など、それぞれのタイミングで採血を行い、ホルモンの分泌状態を確認することで、排卵時期の予測や体の状態をより詳しく把握します。
甲状腺機能検査(血液検査)
甲状腺は体の代謝やホルモンバランスに関わる大切な器官で、その働きが乱れると排卵や着床に影響することがあります。甲状腺機能検査では、血液検査によってホルモンの値を確認し、妊娠に関わる体の状態を把握します。※1回の検査で終了します。
抗精子抗体検査(血液検査)
抗精子抗体は、女性の体がパートナーの精子を異物とみなして攻撃してしまうことで、妊娠の妨げになることがあります。抗精子抗体検査は、こうした抗体の有無を調べることで、自然な受精が難しくなっていないかを確認するために行われます。※1回の検査で終了します。
超音波検査
超音波を発信する器具をお腹にあてたり膣内に挿入したりして、子宮や卵巣の状態を確認します。卵胞の発育や排卵の有無、時期の予測に加え、子宮や卵巣にみられる代表的な疾患(筋腫・腺筋症・内膜症・ポリープ・嚢腫など)の有無も調べます。
子宮頸管粘液検査
排卵が近づくと、血中のエストロゲンが増え、それにより子宮頸管から分泌される粘液も増加します。この粘液は精子が子宮内に入りやすくする役割があり、量や性状を調べることで、精子が通過しやすい状態かどうか、排卵のタイミングなどを知る手がかりとなります。
クラミジア検査
クラミジア感染症は、もっとも多い性感染症のひとつで、自覚症状がないまま進行することが多いのが特徴です。女性では子宮頸管炎や卵管の癒着を引き起こし、不妊の原因となることもあります。血液検査や頸管の細胞検査で確認できるため、症状がなくても早めの検査が大切です。
X線子宮卵管造営検査
カテーテルを使って膣から子宮に造影剤を注入し、レントゲン撮影を行う検査です。子宮や卵管のかたちや通過性を詳しく確認することができ、不妊の原因を探る手がかりにもなります。
不妊治療
タイミング指導
タイミング法は、排卵の時期に合わせて最適なタイミングで性交を行うことで、妊娠の可能性を高める方法です。病院では、基礎体温や超音波検査、ホルモンの状態を確認しながら、一人ひとりに合ったアドバイスを行います。無理のない範囲で続けることが大切なので、不安なことがあれば気軽に相談してください。
排卵誘発
排卵誘発は、排卵がうまく起こらない場合に、排卵を促す治療法です。内服薬や注射によるホルモンの働きをサポートし、自然な排卵や妊娠の可能性を高めます。排卵の状態や体調を確認しながら、無理なく進めていきますので安心してください。
人工授精(AIH)
当院では以下のような患者様に対して、人工授精を(AIH)を行っています。
- タイミング療法で妊娠しなかった方
- 男性不妊症の場合
- 性交不能の場合
人工授精(AIH)は、タイミング療法で妊娠が難しかった場合の次のステップとして行われる治療法で、卵子と精子が出会い、受精する可能性を高めます。治療では、細い管を使って子宮頸管を避け、事前に採取した精子を子宮の奥深くに注入します。受精や着床の過程は自然妊娠と同じですので、妊娠の手助けを少し行う治療と言えます。1回で妊娠する方もいれば、複数回の治療が必要なこともあります。6回目以降に妊娠が確認できない場合は、体外受精の治療をお勧めしています。
人工授精(AIH)の安全性について
精液中には精子のほかに白血球、微生物やゴミなどが存在しますが、精子の調整や抗生剤内服により母体への感染症などのリスクを減らすなど、安全管理を十分に行って実施します。 人工授精による胎児異常発生率は、自然妊娠と同じ確率と言われています。