避妊 Contraception
避妊は、自分やパートナーの将来を考えるうえで大切な選択のひとつです。ライフスタイルや体調、将来の希望は人それぞれ異なり、それに合わせた方法を選ぶことが重要です。
当院では、医学的な根拠に基づき、安全性と確実性を重視した避妊方法をご提案し、安心して続けられるようサポートしています。 「今の自分に合う方法がわからない」「体への影響が心配」など、どんな小さな不安や疑問もご相談ください。
一人ひとりの想いに寄り添い、安心できる毎日と将来のために、最適な方法を一緒に見つけていきます。
ピル外来
当院のピル外来では、避妊を目的としたご相談・処方を行っています。低用量ピル(OC)は、複数の作用で避妊効果を発揮する、信頼性の高い避妊法のひとつです。含まれる2種類の女性ホルモンが排卵を抑えることで妊娠を防ぎます。仕組みや服用方法について丁寧にご説明し、安心して使っていただけるようサポートしています。なお、月経の治療が目的の場合は、婦人科一般外来で対応いたします。
低用量ピル(OC)服用によってできる効果
- 避妊
- 月経痛の軽減
- 月経不順
- 月経量の減少(貧血の改善)
- 月経期間の短縮
- 月経移動
- 月経前症候群(PMS)の改善
- 子宮体がん・卵巣がん・大腸がん予防
- 乳腺症の改善、乳腺の良性腫瘍の予防
- 子宮内膜症の治療効果
- ニキビ・多毛症の改善
※月経困難症治療目的のLEP製剤は、婦人科一般外来にて管理させていただきます。
気になる副作用について
吐き気・頭痛
服用開始ごろ10人中1~2人に軽度の吐き気、頭痛など『つわり』の症状が現れることがありますが、数日内にほとんどの方は症状が消失します。
乳房が張る
生理の前の乳房の張りに似たような症状が1~2ヶ月続くことがあります。特に異常というものではありません。
不正出血
10人中1~2人に服用1~2ヶ月の間では少量の出血が起こることがあります。
下腹部痛
ホルモンバランスの変化による子宮反応や収縮、完全に排卵を抑えきれていない時に排卵痛のような痛みを感じことがあります。
血栓症
血管の中で血液が固まり、血液が流れなくなってしまう”血栓症”というものがもっとも危険な副作用と考えられます。非常に稀な副作用です。
*当院では充分に注意しながら安全に服用できるように必要時には血液検査と面談、血圧測定を行っています。
低用量ピル(OC)のご処方ができない方
低用量ピルは非常に安全なお薬です。毎日服用するお薬なので、少し制限を設けさせていただいております。
- 喫煙35歳以上で1日15本以上喫煙されている方
- 前駆症状のある片頭痛片頭痛が発現する前に目の前がキラキラしたり、生あくびが出たりする症状があってから、片頭痛が起こるケース
- 治療していない糖尿病や高血圧 十分にコントロールされている場合は低用量ピルを服用することも可能です。
- 高度の肥満 BMI35以上の方[BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)]
例)身長160㎝、体重56㎏の場合56÷1.60÷1.60=21.875 ⇒ BMI=22
低用量ピル(OC)の服用に注意が必要な方
持病や体調に不安がある方
- 糖尿病またはその疑いのある方
- 肝臓、心臓、腎臓の病気にかかっている方、またかかったことのある方
喫煙をしている方
服用中は禁煙をしましょう。喫煙者がピル(OC)を服用すると、血栓症や心筋梗塞などの重大な副作用を起こすリスクが高くなります。
年齢が高くなり、喫煙本数が増えるほどリスクが増します。
※35歳以上で1日15本以上たばこを吸う方はピル(OC)を服用することができません。
処方の流れ

【初診】必ずご予約の上、ご来院ください
初診時のカウンセリングは看護師が行い、ピルの種類に関するご相談、当日の検査のご相談を致します。処方の際に、ピルの飲み方、オンライン処方等についてもご説明いたします。
【再診】必ずご予約の上、ご来院ください
来院の他、ご希望によりオンライン処方を選択することができます。
オンライン処方はクレジットカードとスマホがあれば【完全プライバシー】【交通費ゼロ】【待ち時間ゼロ】で、低用量ピル(OC)がご自宅に届きますのでご検討ください。
※オンライン処方されたお薬は、送料が別途500円かかります。
料金について
予約・相談料はかかりません。当日の検査の有無や内容により料金が異なります。
- 検査料 2,500円~
- ピル料金 2,310円~
緊急避妊(アフターピル)
緊急避妊薬は、避妊に失敗した場合や性犯罪に巻き込まれた際に、妊娠を防ぐために使用される薬です。例えば、「コンドームが破れた」「取れた」「低用量ピルを飲み忘れた」などの状況で、性行為後72時間以内に服用することで、妊娠のリスクを軽減します。緊急避妊薬は、排卵を遅らせる、または受精卵が子宮に着床するのを防ぐ作用があります。早期に服用することが効果的で、使用後は通常の避妊方法を併用することが推奨されます。
緊急避妊薬のご処方ができない方
- 妊娠している可能性が高い方(※確認が必要)
- 重篤な肝障害のある方(ホルモン代謝に影響するため)
- 妊娠を継続希望している方(避妊目的に限られます)
- ※重篤な副作用の頻度は少なく、ほとんどの女性が使用できます。
避妊リング
避妊リング(IUD)は、子宮内に挿入する小さな医療機器で、妊娠を防ぐための避妊方法の一つです。ホルモンを放出するタイプがあり、子宮内膜を薄くすることで受精卵の着床を防ぐ仕組みです。
医師による施術が必要ですが、長期間にわたり高い避妊効果が期待でき、安全性にも優れています。忙しい日常の中でも、継続的な服用や使用の手間がかからず、確実な避妊を希望される方に適した方法です。
避妊リングが使用できない方
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方
- 原因不明の性器出血がある方
- 子宮内膜炎・クラミジア感染などの骨盤内感染症がある方
- 子宮に奇形や大きな筋腫があり、器具の留置が難しい方
- 子宮頸がん・子宮内膜がんなど悪性腫瘍の疑いがある方